6.神の国と地獄、神の裁き

イエスは、神の国(マタイの福音書では、天のみくに御国(天国)と表現)をたとえを用いて語られました。聞いた者が、たとえの中の登場人物に自分の姿を見い出し、語られていることを自分のこととして受けとめ、受け留めたメッセージを実践に移すことによって神に応答し、神に出会うことができるようにと、イエスはあえてたとえで語られたのですが、聞く耳のない者、神に応ずる心のない者は一層心をかたく頑なにし、


見てはいるが見ず、聞いてはいるが聞かず、悟ることも


しなかったのでした。神の国は、イエスの宣教を通して、信じた者にはこの世に在っても部分的に体験することはできるのですが、イエスが再臨されるときには、誰の目にも見える現実のことになるのです。

数多いたとえの中から、神の国についてイエスが示してくださったことを、学んで見ましょう。
有名な《種蒔きのたとえ》は、神のことば(福音)を聞く者の四通りの反応を示しています。イエスは、神の国の奥義を理解するには、この世の知恵によるのではなく、霊的な啓発が必要であることを示唆しておられます。引き続き語られた《毒麦のたとえ》は、この悪に満ちた世に生きる者が今、特にキリストの群れ、教会の中にまんえん蔓延する悪に対しどのように対処していくべきかを示唆しています。《ぶどう園のたとえ》は、この世の基準とは異なる神の国の公平を語ることにより、社会から疎外された者、寄る辺のない者、捨てられた者に対する主人(神)の憐れみを表しています。《小作人のたとえ》では、神の召命に正しく答えていく信者の責任が問われています。主人の息子(神の御子イエス)に対する態度が問われているのです。《婚宴のたとえ》では、神の無償の招待にもかかわらず、この世のことに心が奪われ、神の国に入りそこなう信者のことが厳しい口調で語られています。《十人のおとめ》と、《タラント》のたとえでは、キリストに従う者のキリストの再臨への備え、神の国に入る備えが語られています。
以上、七つのたとえを取り上げてみましたが、


金持ちが神の国にはいるよりは、
らくだが針の穴を通るほうがもっとやさしい


と言われたイエスは、信者にとっても神の国に入ることがいかに難しいかを警告されたのです。他方、神の国に入ることが許されなかった者は、外の暗闇、永遠の火の刑罰の場に投げ込まれることが記されています。聖書は、地獄が不死の悪魔(サタン)、堕天使、悪霊のために用意された場所であること、しかし、神の裁きの日にはハデス(黄泉)も、邪悪な者たちもすべて投げ込まれる永遠の刑罰を受ける実在の場であることをはっきり語っています。
この裁きは、大きな白いみざ御座に座っておられる方キリストによって執行され、第一の復活(5章イエス・キリストの再臨・聖者の甦りで扱った最後まで耐え忍んだ「聖者」の甦り)にあず与からなかった死者たちにも、裁きの座に立つために甦りの体が与えられ、いのちの書に名の記されていない者は皆火の池(地獄)へ投げ込まれることになります。したがって、地獄が、霊ではなく、体が永遠の苦しみを受ける場であることは聖書の明確な主張なのです。
旧約時代の神ヤーウエの証し人、キリストの証し人、すなわち、聖徒が完成され、悪魔と手下どもが地獄へ投げ入れられ、邪悪な者も地獄へ投げ入れられた後、新しい天と地が創造され、新しいエルサレムが天から下ってきて、天の父の御国に入ることが許された者たちの体だけでなく、環境もあがな贖われることにより、神の「贖いのご計画」は完成し、神の国が、被造物のすべてに成就するのです。神が人とともに住まわれ、神の霊(聖霊)が人々の内に宿られ、十二種の実がなるいのちの木に象徴される永遠に生きる者たちの永遠の世が始まるのです。神が座しておられる天上の御座と、キリストが座しておられる地上の大きな白い御座、これら二つの御座が、
いっさいのものが、キリストにあって一つに集められる
という神のご計画通り、新しいエルサレムでは、一つの
神と小羊との御座
になるのです。
こうして、全宇宙が、神がご計画された最初の状態に戻されることにより、へブル語、新約、両聖書に記された神の救済のご計画は、幕を閉じることになります。


もはや、のろわれるものは何もない。
神と小羊との御座が都の中にあって、そのしもべたちは神に仕え、
神のみかお御顔を仰ぎ見る。
また、彼らの額には神の名がついている。
もはや夜がない。神である主が彼らを照らされるので、
彼らにはともしびの光も太陽の光もいらない。
彼らは永遠に王である。


聖書に関心を持っておられるあなたに「神の言葉」を、神のご計画の順序にしたがって簡単に解説してきました。あなたはどのテーマに一番関心を持たれたでしょうか。今度は、聖書を開いて実際に書かれているみことば御言葉を読んでみてください。それぞれの章の解説に引用した聖句(日本聖書刊行会の新改訳聖書使用、引用聖句は斜体で表示)、裏づけとなる聖句を以下、列記しました。

1. 神の創造
イザヤ40:21、:28、41:4、創世記1〜3章、ヨハネの黙示録20:11、
第二ペテロ3:10、:12、詩篇19:1、139:13〜14、135:6−5、へブル人11:3、ローマ人1:20、第二ペテロ3:5−7、エペソ人1:11、ルカ7:36−50、8:1−3、ヨハネ4:1−30、8:1−11、第一コリント11:3−16、エペソ人5:21−24、
第一ペテロ3:1−7、ヨハネの黙示録21、22章、1:17−18

2. 人間の堕落
創世記1:28、 ローマ人5:12、 創世記2〜4、6〜9、11章、 第一コリント12:8〜10、第二コリント14:2、 使徒の働き2:1〜12、:44〜47、 ヨハネ17:11、:21〜23、

3. イエス・キリストのご降誕−初臨−
コロサイ人1:16、 イザヤ14:24、46:9〜11、48:3〜5、 使徒の働き2:23、
エペソ人1:4〜5、:11、 使徒の働き3:18、 創世記3:15、12:2〜7、 
出エジプト19:5〜6、 サムエル記第二7:14〜16、 歴代誌上17:4〜14、4:28、   エレミヤ31:31〜34、 エゼキエル36:24〜29、 ルカ24:27、:44〜49、 
ヨハネ5:39、:46、 ヘブル人1:1〜2、

4. 聖霊
ヨハネ1:1、:11、 マタイ2:43、28:19、 マルコ16:15、 使徒の働き1:8、 詩篇33:6、創世記1:1、 マタイ1:18、 ルカ1:35、3:21〜22、4:1、 ヘブル人9:14、 
ローマ人8:9〜11、 使徒の働き1:1、 マルコ8:31、 ルカ24:26、 
ヨハネ16:7、14:16〜20、 使徒の働き1:8、2:1〜39、 マルコ16:15、 ルカ24:47、 ヨハネ4:20〜24、14:12、:26、15:26、16:7〜8、:13〜15、ローマ人8:14〜16、:26〜27、第二コリント3:16〜18、 ヨハネ16:33、マルコ16:16−18

5. イエス・キリストの再臨、聖者の甦り
第二コリント5:2、:4、4:17〜18、 ローマ人8:23〜25、 第二ペテロ3:3〜4、:9 
使徒の働き1:7、 マルコ13:32、 マタイ24:3〜51、 第一テサロニケ5:1〜6、
ルカ19:10、 ヨハネ3:17、 使徒の働き1:11、 マタイ16:27、24:30〜31、
第一テサロニケ4:16〜17、 ヨハネの黙示録6:9〜17、20:1〜6、
第一コリント15:51〜52、 ピリピ人3:21

6. 神の国と地獄、神の裁き
マタイ13章、 マルコ4:10〜12、 ルカ8:8〜10、 ヨハネの黙示録19:20、20:10、:15、ルカ17:20〜21、23:43、 マタイ20:1〜16、21:33〜44、22:1〜14、25:1〜30、19:4、 マタイ13:40〜42、22:13、25:30、:41、5:29〜30、18:8〜9、25:41〜46、
ヨハネの黙示録20:11、 第二コリント5:10、 ヨハネの黙示録20:5、:12〜15、
ゼカリヤ12:10、 ローマ人11:25〜27、 ヨハネの黙示録1:7、21、22章、ヨハネ14:16、エゼキエル47:1〜12、 ヨハネの黙示録4〜5章、エペソ人1:10、
コロサイ人人1:15〜17、 ヨハネの黙示録1:8、22:3〜5

さらに聖書の深い理解を求めておられる方には、

フルダ・K・伊藤著
一人で学べるルカの福音書
文芸社

のご購読をお勧めいたします。『ルカの福音書』の解説だけでなく、全聖書の大切な原則、主張、イエス・キリストの教えのほとんどを学ぶことができます。

 

神の約束